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鍵屋の事業を黒字にしていくには? 黒字にするポイントと赤字への対処法を解説
個人事業主として鍵屋をおこなっている場合、安定的な経営を実施することは必須です。しかし、事業を始めたての頃は苦戦することも多く、なかなか黒字にしていくことが大変かもしれません。「もし赤字になってしまったらどうしよう…」と不安な方もおおいのではないでしょうか?
本記事では、鍵屋の事業を黒字にしていくためのポイントについて解説します。もし、赤字になってしまった際の対処法についても解説するので、ぜひ最後までお読みください。
【目次】
1.黒字とは
2.鍵屋の事業を黒字にするには?
2.1 お客様に信頼される知識と技術を身に付ける
2.2 経営ノウハウを培っていく
2.3 Webを活用して周りと差をつける
2.4 良い口コミやレビューをいただくようにする
3.鍵屋の個人事業主は青色申告を活用するべし
3.1 赤字の繰り越しが可能
3.2 青色事業専従者給与として経費にすることができる
3.3 控除額が大きい
4.まとめ
1.黒字とは
黒字とは、収入や収益が支出や収入よりも多く発生する状態、また余剰分のことです。ただし、人件費や売掛金などの管理をおこない、それでも資金繰りがプラスの状態が黒字であり、単に営業利益だけがプラスでは安定した経営をするための黒字とはいえません。
営業利益が黒字だとしても投資で失敗したり、借入金の利息負担が多かったりすると黒字にはなりません。資金繰りがマイナスの状態は「赤字」といいます。利益が黒字でも倒産する会社は多いため、黒字経営だからといって安定しているとは限りません。
赤字の場合は、支出や費用が収入や収益よりも多い状態であるため、利益を黒字に変えていくためにはどうすればいいか対策をおこなっていかなければなりません。
2.鍵屋の事業を黒字にするには?
「鍵屋として事業をおこなってみたい」という考えから、個人事業主としての独立を考えている人も多いかもしれませんが、もちろん簡単な仕事ではありません。個人事業主で鍵屋をおこなっていくためには、経営者として事業を黒字にしていく必要があるためです。ここからは、鍵屋の事業を黒字にしていくための重要なポイントについて解説します。
- お客様に信頼される知識と技術を身に付ける
- 経営ノウハウを培っていく
- Webを活用して周りと差をつける
- 良い口コミやレビューをいただくようにする
2.1 お客様に信頼される知識と技術を身に付ける
まずは第一に、お客様に信頼される知識と技術を身に付けるようにしましょう。知識だけ・技術だけという訳ではなく、両方をしっかり身に付ける必要があります。鍵師の技術は犯罪に応用できますし、お客様との情報の乖離が大きい業界なので、信頼が無いと長く仕事を実施することができません。信頼を得ることができると、口コミなどお客様が増えていくことにも繋がりますので、お客様に信頼される知識と技術を身に付けるように尽力しましょう。
また、時代の流れと共に鍵の業界にもWebやITの新しい技術が活用されてきています。スマートロックやキーレスエントリーシステムなどのデジタル鍵が、通常の家にも導入されつつあり、今後もさらに技術が発展したり、開発されたりすることで、新しく画期的なものが出てくる可能性は高くなっているでしょう。そのため、鍵師は、昔ながらの鍵や施錠システムに関する知識と技術が重要なのはもちろん、WebやITの新しい技術にも対応できる力が必要となってきています。今後は、鍵師として活躍するためには、昔からの技術と新しい技術の両方をバランスよく使いこなすことが重要です。
2.2 経営ノウハウを培っていく
鍵屋の仕事は、鍵に関する知識と技術だけではいけません。同時に経営ノウハウも培っていく必要があります。鍵屋として独立すればあなたは、顧客の対応をする「プレイヤー」でもあり、鍵屋としての事業の継続・発展をおこなう「経営者」でもあります。プレイヤーの仕事ももちろん重要ですが、それだけに気を取られていると事業の管理やお金の管理がおろそかになり、うまくいかない可能性があります。経営者としての経営ノウハウも、培っていくようにしましょう。また、顧客へのかかわり方やビジネスマナーなど、さまざまな力を身に着けることも重要です。
2.3 Webを活用して周りと差をつける
個人事業主の鍵屋として依頼を獲得していくには、マーケティング施策も重要です。マーケティング施策をおこなっていく場合、Webを活用して周りと差をつけるようにしましょう。Webを活用してのマーケティングは、活用する企業が増えてきてはいますが、まだまだ鍵屋の業界では活用しきれていない印象があります。Webを最大限活用することで、競合他社に差をつけることが可能です。
集客施策を行う際は最初から大きな費用を使うのではなく、まずは小さく費用をかけていくようにしましょう。費用に余裕があるのであれば始めから広告費用にお金をかけても良いと思いますが、開業当初はそれほど費用が多くない可能性が高いです。自らの集客施策にかけられる費用を考慮しながら、最大限効果を上げられる集客施策をおこなっていきましょう。
2.4 良い口コミやレビューをいただくようにする
受けた依頼をただこなすだけでなく、良い口コミや良いレビューをいただけるような質の高いサービスを提供するようにしましょう。鍵にまつわるトラブルは頻繁に起こるものではないため、同じお客様からの頻繁なリピートというのは多くありません。基本的に新規のお客様から依頼を受けることが多くなるため、そのためにも良い評判を広めていくように注力しましょう。口コミやレビューなどのお客様の声は、大きな影響力を持ちます。
Webを活用したマーケティングの中には、Googleビジネスプロフィールなどのお客様に口コミを書いてもらえるものもあります。依頼を受けた際は、誠実に依頼をこなして満足していただき、お客様に良い口コミやレビューを書いてもらえるように努力しましょう。
3.鍵屋の個人事業主は青色申告を活用するべし
個人事業主の鍵屋として事業をおこなっていく際、順調に黒字で事業ができればいいですが、最初のころは苦戦する人も多いです。そんな中、赤字になってしまう人もいるでしょう。しかし、赤字になってしまった際でも、「青色申告」を活用すると、自身の負担が大きく減るケースもあります。鍵屋として事業をおこなううえで非常に便利な制度なので、理解を深めて青色申告を効果的に活用しましょう。
3.1 赤字の繰り越しが可能
青色申告の一番大きな特徴として、赤字を翌年以降最大3年間繰り越すことが可能になります。事業が赤字になってしまった場合に青色申告による確定申告をすることで赤字額を翌年最大3年間繰り越すことができ、仮に翌年利益が出た場合その利益分を赤字分で相殺できるようになります。以下に例を掲載しました。
例)昨年の所得が100万円の赤字で、今年の所得は150万円の黒字だった場合
昨年分…所得税額0円
今年分…150万円 – 100万円 = 50万円
→50万円に対して所得税がかかる
例を参考にすると、青色申告を活用することで150万円の黒字に対して昨年の100万円の赤字分が相殺されています。これによって50万円分のみ所得税が必要となり、税金が安くなることに繋がります。
3.2 青色事業専従者給与として経費にすることができる
こちらは事業に配偶者や親族が関わっている際に利用ができるものです。原則、配偶者や親族に支払った給与は経費に入れることはできません。しかし青色申告の場合、以下に該当する人への給与は経費に入れることが可能となります。
- 青色申告者と生計を共にする配偶者その他の親族
- その年の12月31日現在で年齢が15歳以上
- 6ヶ月以上の期間その青色申告者の営む事業に従事していること
しっかりと従事していることが条件ですので、「少し手伝った」程度では経費にすることは難しいです。6か月以上、従事している必要があるので注意しましょう。
3.3 控除額が大きい
こちらは赤字の際に活用できるというよりは、青色申告の違った活用方法となります。
所得税は2020年分の確定申告から、基礎控除として48万円が適用されています。青色申告を実施すると、条件を満たすことでさらに最大65万円の特別控除を受けることができ、控除額が大きくなります。
しかし、最大65万円の特別控除を受ける際には以下の条件を満たさなければなりませんので注意しましょう。
- 複式簿記による記帳が必要
- 貸借対照表・損益計算書の作成
- e-Taxによる申告または電子帳簿保存が必要
4.まとめ
本記事では、鍵屋の事業を黒字にしていくためのポイントについて解説しました。鍵屋として事業をおこなうことは非常に素晴らしいことですが、責任を持って事業を黒字にして、発展させていくことが求められます。今回解説したような知識をきちんと身に着け、1人の経営者として事業を発展させていきましょう。