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鍵師は資格が必要なの? 持っておくと有利な「公認鍵師資格」について解説
独立して仕事をしたい人たちに人気なのが鍵師としての独立です。鍵にまつわる悩みやトラブルを解決する仕事で、世の中に非常に求められている仕事です。しかし、鍵師として独立するとなると、「特別な資格などは必要なの?」と不安になる人も少なくないでしょう。
結論から言うと、鍵師の仕事をおこなううえでは特別な資格は必要ありません。ただし、一人前の鍵師とであることを証明できる任意の資格などは存在します。本記事では、鍵師になる際の任意の資格や、「鍵師技能検定試験」について、鍵師になる際のその他おすすめの資格について解説します。
【目次】
1.鍵師になるには資格がいるのか?
1.1 仕事をおこなううえでは特別な資格はない
1.2 「公認鍵師資格所持者」という任意の資格はある
2.鍵師技能検定試験とは
2.1 質の高い錠前技能者としてのスキルを認定するための試験
2.2 管理している会社は「ビジネス教育連盟 日本鍵師協会」
2.3 鍵師資格は3種類の等級がある
3.鍵師になる際のその他おすすめの資格
3.1 防犯設備士
3.2 電気工事士
4.まとめ
1.鍵師になるには資格がいるのか?
ではまず鍵師になって仕事をおこなうには特別な資格が必要なのでしょうか?
1.1 仕事をおこなううえでは特別な資格はない
鍵師は仕事をおこなううえで特別な資格は必要ありません。そのため、やる気さえあれば誰でも取り組むことができ、独立して仕事がおこないやすい業種でもあると言えるでしょう。空かなくなった鍵を開けることや、住宅の鍵の交換、古い鍵の修理、空かなくなった金庫の鍵開けなど、業務は多岐に渡りますが、すべて知識とスキルがあればおこなうことが可能です。
1.2 「公認鍵師資格所持者」という任意の資格はある
特別な資格は必要がない鍵師ですが、「公認鍵師資格所持者」という任意の資格はあります。鍵師技能検定試験は、鍵師としての技術や知識、経験を評価するために実施されます。試験の内容は、鍵の解錠技術や製造技術、鍵の種類や構造に関する知識、セキュリティに関する法律や規制など、幅広い領域をカバーしています。鍵師技能検定試験に合格すると、「公認鍵師資格所持者」として認定されます。この資格を持つことで、鍵師としてのスキルや信頼性が証明され、お客様からの安心感や信用度の面では有利になるでしょう。
2.鍵師技能検定試験とは
鍵師としてのスキルや信頼性が証明できる公認鍵師資格所持者ですが、この資格を取るには「鍵師技能検定試験」を受けることが必要になります。ここからは鍵師技能検定試験の詳細について解説していきます。
2.1 質の高い錠前技能者としてのスキルを認定するための試験
鍵師技能検定試験は、鍵の製造·修理·解錠などの技術を持つ鍵師としての能力を評価するための試験です。この試験で優秀な成績を収めると、質の高い錠前技能者としてのスキルを認定してもらえます。鍵師技能検定試験を受けられる対象者は以下の通りです。
- 16才以上であること
- 原則的に前科が無いこと
- 日本国籍を有していること
2.2 管理している会社は「ビジネス教育連盟 日本鍵師協会」
鍵師技能検定試験を実施しているのは、「ビジネス教育連盟 日本鍵師協会」が実施しています。鍵師技能検定試験だけでなく、鍵師を目指す人たち向けの講習会なども開催し、鍵師として独立したい方たちのサポートをおこなっているのです。例えば、鍵師技能検定試験に完全準拠している「鍵師養成7日間講習」を開催しています。鍵師養成7日間講習を受けることで、錠前·鍵の構造とメカニズムなど基礎知識、合鍵製作、開錠訓練、さらには営業方法まで全29項目を7日間で学ぶことができ、鍵師技能検定試験をスムーズに合格することができます。鍵師養成7日間講習は7つのカリキュラムに分かれています。
講義記号 |
内容 |
基礎 |
錠前·鍵の構造と技術の基本 錠前、鍵の構造とメカニズム 工具解説、開錠訓練(ロッカー錠他) 普及型ディスクシリンダー玄関錠の解説 普及型ディスクシリンダー玄関錠の開錠訓練 普及型ピンシリンダー玄関錠の開設と開錠訓練 職業倫理·業界関連法規他 |
A |
合鍵製作とキーマシン操作 一般合鍵製作(元鍵のある場合) ロッカー錠·金庫シリンダー錠の合鍵製作(元鍵のない場合) 一般玄関錠の合鍵製作(元鍵のない場合) |
B |
自動車のロック機構と開錠 一般国産車の開錠訓練(ピッキング以外の方法) 一般国産車の紛失キー製作 補助錠の取り付け 玄関錠の開錠方法(ピッキング以外の方法) |
C |
ピンシリンダーから磁石錠までシリンダーのすべて 磁石錠(XEC錠)の開錠訓練 各種シリンダーについての解説 シリンダー交換·脱着練習 難解錠玄関等の開錠と合鍵製作 |
D |
開錠のメカニズムとシリンダー組み替え技術 一般玄関錠の構造とメカニズム カードキー錠·指紋錠などの解説 ディスクシリンダーの組み替え練習 |
E |
金庫ダイヤル錠の構造と開錠技術·防犯カメラ 金庫ダイヤル錠の基礎知識 金庫固定ダイヤル錠の開錠(破壊開錠) 金庫百万変換ダイヤル錠の番号変更訓練 防犯カメラや各種センサーなど防犯機器についての基礎知識 |
F |
金庫開錠、車開錠訓練と営業方法 金庫固定ダイヤル錠の開錠(非破壊開錠) 車のシリンダー開錠訓練 営業方法 二級鍵師技能検定用特別講習 |
参照:https://www.kagishi.com/course/curriculum/
2.3 鍵師資格は3種類の等級がある
鍵師技能検定試験では、マスター鍵師、一級鍵師、二級鍵師の等級が設けられています。
- マスター鍵師
錠前の高度な全般的専門知識ならびに取り扱い技術、開錠技術等を有し、またそれらを教授する技術を有し、当協会で特に優秀と認めた者。(認定資格は「一級鍵師資格」所持者の中から認定。)
- 一級鍵師
錠前の高度な専門知識ならびに一般普及錠、特殊錠等の取り付け、取り替え技術、開錠技術等を有し、かつ「一級鍵師技能検定試験」に合格し、資格申請をした者。受験資格は「二級鍵師資格」所持者。
- 二級鍵師
倫理観が旺盛で、錠前の専門的基礎知識ならびに一般普及錠の取り付け、取り替え技術、一定レベル以上の開錠技術等を有し、かつ「二級鍵師技能検定試験」に合格、資格申請した者。
3.鍵師になる際のその他おすすめの資格
鍵師は必ず必要な資格などはありませんが、仕事の幅を広げるために鍵の仕事に関連する資格を取得しておくのはおすすめです。今回は公認鍵師資格について解説しましたが、それ以外にも鍵師になる際のおすすめの資格は存在します。ここからは、公認鍵師資格以外のそのほかのおすすめの資格について紹介します。
3.1 防犯設備士
防犯設備士は、「公益社団法人 日本防犯設備協会」が運営を行っており、防犯設備に関する専門的な知識や技術に基づいて、防犯設備の設計、施工、維持管理及び防犯診断に関する業務を行うための試験となっています。
防犯設備士は、防犯設備の設計·施工·維持管理に関連する知識が必要となるため、資格取得後は防犯の知識を生かして鍵の取り付けや商品の紹介などが可能となるでしょう。
3.2 電気工事士
電気工事士は、「経済産業省」が運営を行っており、電気設備の工事や取扱いの際に必要な国家資格のことです。電気工事に携わる方にとっての代表的な資格となります。
現代では電子錠などの普及も進んでおり、電気工事の知識は役に立つ場面が多いことが見込まれます。昔からある鍵に関しての知識と、新しい技術である電子錠などの知識を合わせて活用することで、仕事の幅は大きく広がるでしょう。
4.まとめ
本記事では、鍵師になる際の任意の資格や、「鍵師技能検定試験」について、鍵師になる際のその他おすすめの資格について解説しました。鍵師として仕事をおこなううえでは必須の資格はないですが、今回紹介した公認鍵師資格などを持っておくと、お客様からの安心感や信頼感につながり、仕事が円滑におこなえる可能性があります。鍵師に関する資格を取得するのは、やはり第一はお客様のためです。一人前の知識や技術を身に付け、お客様からの信頼を得られるように精進しましょう。